もっとビートルズに近づきたかったら〜チャック近藤
ABOUT THE BEATLES

ポールのベースは最高だった?

 ポールはこの6月18日で57歳になる。う〜む、結構な年だなぁ。デビューが20歳くらいの頃だから、もう37年も経つんだ。とにかく、「誕生日おめでとう」である。

 思えば、私が初めて本物のビートルズを聴いてから早35年も経っているのである。イヤーこれもまた長い年月である。それだけの間ビートルズを聴き続けているのか…。私が初めてビートルズを聴き、衝撃を受けたのは歌とベースだった。つまり演奏面で言えば、ポールの演奏に引きつけられたのである。もちろん今となっては、ビートルズのベースサウンドは特徴の一つになっている、が、逆に今聴いてみると初期のベースサウンドのどこが特徴だというのだろうか? 私自身、どこに惹かれたのかが分からないくらい普通のベースサウンドなのである。特別ベースの音が大きいわけでもない。和音弾きだとか4ビートのランニングとかはあるものの、世のビートルズ・コピーバンドが上手くコピーできないくらい目立たない音なのである。ポール自身、無理矢理ベーシストになってしまい、初期の段階では、まだまだこだわりなんざぁ無かったんでしょう。

 では何故、私を含め多くの人たちがポールのベースに引きつけられたのだろうか? それは他ならぬポールの主張だろう。そのポールの主張をリスナーに届くように録音したのがジョージ・マーティンである。これはかなり重要なことである。つまり、それまで無かったベースの存在感をアピールし、そのアピールに刺激されたのが私のようなリスナーだったのだ。デビュー曲の“Love Me Do”は、よく聴いてみればハネこそあれ、そんなに驚くようなベースではないし、ポール自身そんなに自信たっぷりなプレイでもない。ところが開き直ったのか“Please Please Me”から急に勢いが出てくる。そしてご存じのように、ビートルズの解散まで突っ走り、数々の素晴らしいベースプレイを聴かせてくれたと言うわけである。

 私が何故「ビートルズの解散まで」と言ったのか? それはあまりにもビートルズ時代のプレイと解散後のプレイが異なるからである。言うまでもなく、解散後は徐々にベースへの関心が無くなってしまったようで、フレーズそのものや音色も繊細なものでなくなってしまった。私がベースプレイヤーであるから気になるのかもしれないが(いや、思えば私をベースプレイヤーにしたのはポールなのである。)、あらゆるミュージシャンに対して無責任なベースサウンドになってしまった、と感じるのである。

 うだうだと文句を言っているようだが、ポールのベースのみならず、私はビートルズに対して「あなたたちは、無責任だ!」と言いたいのである。音楽でこれだけ世の中を揺さぶり、少年たちの人生も変えるほどなのに、4人の過去の言動を聞いてみても「もう俺たちはビートルズはうんざりだ」などとのたまうのは許せん! この私しかり、確かにビートルズのお陰でおまんまを食わせて貰っている者も多いが、もう少し後継者に暖かい気持ちを持って貰いたかった。イヤ、今からでも遅くはない。ビートルズだったポール、ジョージ、リンゴが生きている間に、そしてジョンも天国からもっともっとビートルズを肯定してくれればいいのである。でないと、私のような人間はどうしたらいいのか分からなくなってしまうではないか。
CHUCK KONDOH

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