もっとビートルズに近づきたかったら〜チャック近藤
ABOUT THE BEATLES

ジョージももう56歳か!

 10代でデビューしたジョージもこの2月25日で56歳。早いものですね。とはいってもビートルズが解散して30年が経とうとしています。いやはや何ともいいがたいです。

 ジョージの誕生日が過ぎたばかりですが、ジョージについて一言。

 とかくビートルズの中では目立たない存在であったジョージですが、じっくり音を聴いてみるとその存在感に驚かされるのは私だけではないでしょう。コーラスに関してはご存知の方も多いと思いますが、彼曰く「歌わないと、もてない」でして、ジョン、ポールのデュエットにも割って入り、自分も声を出し3部に仕立ててしまう。従ってジョージのコーラス・パートは難しい、なんて逸話もあるんですね。確かにジョージのコーラスはなかなか音程が良くなければ難しいパートです。これをとってみても存在感が無いわけがない。ジョージのパートがしっかりと加わることによってビートルズのコーラス・サウンドが確立されると言う曲も少なくないはずです。こういった特長のあるコーラスはハッキリ言って誰の仕業かわかりませんが、ジョージのコーラス・センスの良さが引き立てているのは間違いないところだと思います。

 さて今度は演奏面でのジョージを探ってみると、うーむ、時折聴かせるギターは素晴らしいではないか。何が素晴らしいかというと、彼のプレイは常に曲作りをしていると言うことなのです。つまり、ギタリスト特有の癖や、スケールをなぞるというプレイはほとんどと言っていいほどありません。メロディーや全体のサウンドに対して自分のパートであるギターのプレイを作り上げているのです。それはどのギタリストでも同じ、と思われるだろうが違う。ジョージは「普通はこう弾く」とか「こうスケールで流れると弾きやすい」とかは関係ないのです。「この楽曲に対してこの音がよい」となれは、弾きにくかろうが何だろうがジョージはそう弾く。ここが違うのである。ここ一発の短い間奏を決めてしまう作曲力はただごとではない。彼のギター・パートの作り方がプレイヤー意識の中からではなく、一作曲家の立場で作り上げているのが他のギタリストとの大きな違いを感じるのである。だからギターを勉強した者にとっては「ジョージはおかしい」とか「下手だ」とか言われてしまっているんですね。

 最後に、ビートルズも最初は「おかしい、変、普通じゃない」と言われていました。ジョージも同様です。だがこれを超える者はなく、音楽的なほとんどの部分が当たり前のようになっているのです。今の音楽のルーツはビートルズと言っても過言ではないでしょう。それを知らず知らずの間に身につけ、ビートルズを超えたなどと勘違いしているミュージシャンがいたら、殴ってやりたい気持ちです。

 今だにビートルズを聴いても古さを感じないのは、今となってはビートルズ・ファンだけかも知れないが、他の者に比べ決してただのオールディーズではないのである。ではどこが違うのかと一言で言うと、ポップやロックが発展してからの音楽では楽曲の作り方や仕上げ方が全く違っていたのである。私の著書である「ビートルズサウンズ大研究 上・下巻」「ビートルズサウンズのツボ」を読んでいただければ音楽的な違いや、どのような感覚で曲を作り上げてきたのかと言うことが少しはわかっていただけるだろう。既に読んで頂いた方達はさらに探るおもしろさを知っていただいたと思う。聴くたびに新鮮で発見のあるビートルズ。21世紀になっても衰えることはないはずだ。
CHUCK KONDOH

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